第53回 夜さんぽ 開催報告

第53回 夜さんぽ 開催報告

 11月15日、夜さんぽを開催しました。それほど寒さを感じない、歩きやすい夜でしたね。ご参加いただいた22名の皆さん、夜さんぽへご参加いただきありがとうございました。

 今日で53回目の夜さんぽとなりました。コロナ禍で中止としたこともありましたが、基本的には月に1回の開催でやってきましたから、4年半ほど続けてきたことになります。

 今日は、というかいつもここでは似たようなことを書いていますが、夜さんぽはどういう場所なのか、いつもとは趣向を変えて5W1Hの形式に則って一つずつ考えてみようと思います。ちょっと説明的になってしまうように思うのですが、よかったらお付き合いくださいね。

「When(いつ)」

 月に1回、夜さんぽを開催しています。

 月に1回というのは、私たち Love Life Project は3名のメンバーでやっていますが、それぞれの仕事もあるために月に何度も実施することはできず、月に1回の開催とさせてもらっています。なので、大変申し訳なく思っているのですが、毎月第2土曜日に開催するとか、わかりやすい日程設定をすることができず、毎月やれる日に開催させてもらっています。

「Who(誰が)」

 私たち Love Life Project が、夜さんぽを開催しています。

 私たちは、2020年、名古屋市の主催する「ナゴヤをつなげる30人」という研修のようなまちづくりプロジェクトで出会いました。メンバーの一人が父を自死で亡くしており、自分の気持ちを話し、他の方の気持ちを聞くという行為をすることでなんとか生きてきた、自分を保つことができたという経験を持っています。その経験から、父が自死したことを悲しむのではなく父が生きたことを肯定したい、生を肯定したいと思い、その想いに共感してくれた二人と Love Life Project を結成しました。Love Life Project はNPO法人でも一般社団法人でもありません。地域のボランティアグループと同じ任意団体というものになります。

 また、夜さんぽという場を語るうえで最も大切な「Who(誰が)」として、参加してくださる皆さまのことをあげたいと思います。夜さんぽは想いを話して想いを聞く場ですから、参加してくださる方がいなければ成立しません。ご参加いただき、一緒に夜さんぽという場を、時間をつくってくださっている皆さまに心からお礼を申し上げます。いつも本当にありがとうございます。

「Where(どこで)」

 名古屋は栄の久屋大通公園で夜さんぽを開催しています。

 私たちはここ久屋大通公園に「あり続けること」を一つの目標としています。夜さんぽみたいに想いを話して想いを聞く場がこの社会にあること、それ自体に大きな価値があると思っています。たとえ夜さんぽに参加されなくとも、この夜さんぽという場があることを知ってもらうこと、そのことに意味があると考えています。それぞれがこの社会を生きるなかで、夜さんぽみたいな場を必要とするときがきっとあって、そんなときのために私たちはここにあり続けたいと考えています。

「What(何を)」

 私たち Love Life Project は、夜さんぽを開催しています。

 夜さんぽについて、メンバーで何度も議論を重ねて定義を作っています。ウェブサイトのトップページにも記載していますが、夜さんぽは、「自分のことを話しながら、色んな人の話を聞きながら、すっきりあたたかい気持ちになる夜を歩くイベント」です。

 いくつかの要素があると思っているのですが、なによりも大切なことだと考えているのは、自分の想いを話すことと、色んなひとの想いを聞くことです。どちらかだけではだめで、両方がそろってこその夜さんぽだと考えています。また、すっきりあたたかい気持ちになるという点も大切な要素だと考えています。

 私自身、父を自死で亡くし、どうしようもない時期がありました。何をしていても、何もしていなくてもこころが落ち着かなくて、そのとき私はどうしようもありませんでした。なんとかしようと思っていろいろなところへ行きましたが、最終的にたどり着いたのが、大切な人を自死で亡くした共通点のもとに集まって話をする当事者グループでした。そこは、ただ想いを話して聞く、それだけの場所だったのですが、私にとってはこの場所がとても心地良かったのです。想いが言葉にならないこともありました。でも、そんなときは他の方の想いを聞くことで自分だけじゃないんだって思えたり、その方々がいまを生きる仲間のように思え、心地の良いあたたかさに包まれたのをよく覚えています。

 この経験は夜さんぽを作るにあたって大きな影響を及ぼしていると思っています。もっと言えば、私は当事者グループでの経験を場所を変えて再現していると言っても過言ではないと思っています。

 私は「大切な人を自死で亡くした当事者」グループへ行っていましたが、私たち Love Life Project は「今を生きる当事者」が参加する夜さんぽを開催していると考えています。「当事者」というくくりを限りなく広げている、そんな活動をしているとも考えているのです。この社会にはいろいろな属性や立場がありますが、いまを一生懸命に考えたり、悩みながら生きているという点においては誰もが同じだと思うのです。そこには一切の垣根なんてなくて、私たちは話して聞いて、この今を一緒に生きていけるはずだと私は考えています。

「Why(なぜ)」

 なぜ夜さんぽを私たち Love Life Project は開催するのか、私個人の話をすれば、前記の当事者グループでの経験がとても大きいと感じています。想いを話して想いを聞くことで私は生きてこられた実感があります。あの時の自分のために、夜さんぽという場をここ久屋大通公園でできるだけ長くやっていきたい、そんな風に考えています。きっと誰しもが夜さんぽみたいな場所を必要とすることがあって、その時のためにあり続けられたらと思うのです。

「How(どのように)」

 自然と話をすることができるよう、トークテーマを設けています。6段階のトークテーマがあり、1段階に4つのテーマを設定しています。ご参加いただいた皆さまには、このなかから一つを選んでお話いただきます。今日の昼ごはんは・・・というようなものから始まって、私の好きなもの・・・、私の落ち着く時間は・・・と続いて、最終的に私はどうありたいか・・・のようなそれぞれの核心に迫るような、普段話すことのない話をすることができるように工夫をしています。6段階あるという構成はいつも同じですが、このトークテーマは毎回変えています。

 また、安心して想いを話すことができるようルールを定めています。想いを話すためには、この場所でなら話しても良いかなと思える安全な場でなくてはなりません。現在は8つのルールを定めていて、夜さんぽの冒頭で一つずつ読み上げて確認する時間を設けています。イベントの構造上、夜さんぽは参加いただく皆さまと一緒につくるイベントなので、ルールを設けることで共通認識をつくり安全な場となるよう努力しています。

 そして最後に、少しでも安全な場をつくれるよう、心地の良い場をつくれるよう、私たちは議論を続けています。時に難しいことがあることも事実です。それでも私たちは想いを話して想いを聞くことの力を信じ、そんな場としてあり続けるために議論を重ねています。その時その時のベストを尽くしていきます。

(最後に)

 なんだかとても長い文章になってしまったのですが、私があなたに伝えたいことは一つです。

 夜を歩きながら話しませんか? よかったら来てくださいね。

(いただいた感想)

・静かな夜で、それほど寒くもなく歩きやすい気候だったと思います。いろんな人の話を聞けたり、話したりしていろいろな発見があったと思います。ありがとうございました。

・日常のつながりがないからこそ、話せることがあるなと感じました。語ること、聴くことが自分の主体性を育てていけると、改めて感じました。ありがとうございました。

・前回に続き2回目の参加でした再び見ず知らずの方々と語り合う事はある種非日常な事かも知れませんが新しい発見もあり、それが新鮮だと思えました。

・2回目でしたが、メンバーによってまた違っていて楽しかったです 全く知らない人と話すことで自分に何か気づきができたらいいなと思いました